SASE 市場、2025 年までに 500% 以上成長する可能性

Laura Wilber (業界アナリスト)

クラウドおよび IoT の成長市場に特化した調査会社 650 Group の最新レポートでは、SASE (Secure Access Service Edge) 市場が 2025 年までに 5 倍の成長を遂げ、売上高 110 億ドルに達すると予想されています。高成長市場の牽引役となるトップ 5 企業として、Zscaler、Hewlett Packard Enterprise (HPE)、Cisco、Fortinet、Versa Networks が挙げられています。

SASE を最初に取り上げたのは、2019 年の Gartner 社のレポート『The Future of Network Security Is in the Cloud』(ネットワークセキュリティの未来を担うクラウド) でした。それ以来、SASE は、統合型 WAN とサイバーセキュリティをクラウド・サービスとして提供するコンセプト・モデルとなっています。

 

 

SASE のパラダイムには、エンタープライズ、セキュリティ・ベンダーやネットワーク・ベンダー、投資家らが大きな関心を寄せています。650 Group 社が指摘しているように、完全な SASE 製品の提供を目指すネットワーク・ベンダーやセキュリティ・ベンダーの間で買収・合併が進むにつれ、業界統合が加速しています。組込みトラフィック・インテリジェンス・ソフトウェアを提供する Enea は、このような動きを、お客様企業の M&A 活動を通して間近で目撃してきました。この動き以外にも、650 Group 社の分析結果と現場で実際に起きている事実は、次の 3 点で一致しています。

 

1) リアルタイムで実感される業界コンバージェンスの広がり

650 Group 社のレポートでは、SASE がネットワーク業界/セキュリティ業界のコンバージェンスを牽引していると述べられており、実際にその通りの展開となっています。ただし、Enea は、このコンバージェンスにはテレコム業界も含まれていることを実感しています。Enea のトラフィック・インスペクション・エンジン Qosmos ixEngine® は、エンタープライズ・ネットワーキング、テレコム・ネットワーキング、サイバーセキュリティなど様々な製品に幅広く組み込まれているため、Enea はこのコンバージェンスを広範囲に直接体験する立場にあります。

DPI の組込みを手がけるベンダー各社は、長きにわたり、主にこの 3 つの業界のいずれかに製品やサービスを提供し、エンタープライズ、テレコム・オペレーター/ISP、マネージド・サービス・プロバイダなどの異なるエンド・カスタマーグループに販売してきました。SD-WAN や SASE などのユースケースでは境界が消えつつあります。実際、業界ベースからソリューション・ベースのマーケティングへと転換する中で、境界を越えることは日常茶飯事となっています。従来はテレコム市場で活動していたが、現在はエンタープライズ顧客向けに SASE 製品を開発しているベンダーをどのように分類すればよいのでしょうか?ユースケースが従来どおりテレコム、ネットワーキング、セキュリティに分類されている場合、SASE ユースケースの情報をどこに向けて発信すべきなのでしょうか?

 

2) SD-WAN、FWaaS、SWG & CASB は高成長ユースケース、SASE はその有望な原動力

650 Group 社はこのレポートの中で SASE のコア・ファンクションとして 5 つの要素を挙げ、ベンダーはそのうちの 4 つを含める必要があるとしています。そのコア・ファンクションとは、SD-WAN、SWG (Secure Web Gateway)、ZTNA (Zero Trust Network Access)、CASS (Cloud Access Security Broker)、FWaaS (Firewall-as-a-Service) です。通常、ZTNA は CASB のような高位のファンクションに統合されるため、Enea では ZTNA を別の市場セグメントとして追跡しています。しかし、その他の 4 つの要素は Enea にとって高成長ユースケースであるため、SASE への進化がその原動力になると確信しています。さらに、Qosmos ixEngine の SASE ソリューションと銘打った製品への組込みに関するベンダーからの問い合わせ件数も大幅に増えてきています。

 

3) SASE への実用的なアプローチ

650 Group 社のレポートでもう 1つ興味深いのは、パートナーシップを利用して SASE サービスを提供しているベンダーを排除していないということです。Enea のお客様企業にも、そうしたパートナーシップを通じて真の SASE の利点を顧客に提供している事例があります。また、いずれの事例でも、SASE に対して実用的かつ進化的なアプローチが採用されています。M&A、自社開発、パートナーシップを通じて SASE 機能のギャップを埋めている既存ベンダーも、ピュアプレイの SASE スタートアップも、すべてのデプロイメントが多かれ少なかれハイブリッドの形をとっています。このようなデプロイメントは、オンプレミスのネットワークとセキュリティへの投資を無駄しないこと、そして特定のエッジ・ロケーションのオンプレミス機能に関する特別な顧客要件 (例えば、2 つのロケーション間に継続的な専用リンクを設ける、特定の重要なロケーションにヘビー・ブランチ機能を配置するなど) をサポートすることを目的に設計されています。

 

シン・ブランチへの動きが起きているとは言え、特定のロケーションにおけるヘビー・ブランチは長期間存続することが予想されます。

 

参考文献

詳細については、650 Group 社のこのレポートに関するプレスリリースをご参照ください。

SDxCentral 社によるこのレポートに関する記事

さらに、Qosmos ixEngine の SASE ベンダー製品への組込みについては、Enea の SASE ウェブページをご覧ください。また、SD-WAN/SASE に関する重要な新機能「First Packet Advantage」に関する当社のブログ記事も併せてご覧ください。

SASE での DPI (Deep Packet Processing) および関連するトラフィック・アナリティクスの利用については、SDxCentral. 社による業界ガイド『The Role of DPI in SASE Evolution』(SASE の進化における DPI の役割) をご参照ください。